北九州市にある歯科・歯医者【あべやま歯科クリニック】

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オールオン4(All-on-4)あるいはオールオンX(All-on-X)と呼ばれる治療方法について


All-on-4

オールオン4(All-on-4)・オールオンX(All-on-X)の特徴


最小限のインプラントで最大の効果


All-on-4は、20年以上も前にポルトガルのパウロ・マロ博士が開発した治療術式です。名前の通り、上顎または下顎をそれぞれ4本のインプラントだけで全ての歯をサポートし、即時に歯を固定する治療法で手術の負担や治療期間、治療費を軽減できる画期的な治療法として注目され世界中のトップレベルの歯科医療機関で導入されてきました。

当院でも、これまで多くの治療がされてきており、良好な治療結果を示しています。

しかし、最近、世界中の医療機関の治療結果(エビデンス)から、必ずしも4本という本数に限定することは適切ではなく、症例によっては5本や6本、あるいはそれ以上のインプラントを使用することによって、より安全で良好な治療結果が得られる場合があることも分かってきました。

そのため、『4』という数字に縛られることが無いように、この術式をAll-on-X(X=どんな本数でも可)という名称で呼ぶようにしようという動きが出てきています。しかし、このインプラントの本数は、あくまでマロ博士が提唱したAll-on-4の治療概念に沿って『最小限のインプラントで最大の効果』を狙って治療計画が立てられていることが極めて重要です。

手術後すぐに歯が入る


All-on-4あるいはAll-on-Xと呼ばれる術式では、手術の前に手術時に使用する仮の歯を準備することから治療がスタートします。

歯の準備が整ってから、手術を行います。手術では、インプラントを埋め込み、同時にあらかじめ準備しておいた歯を装着します。

これにより、治療直後から『見た目』を回復でき、すぐに仕事や社会活動を再開することができます。また、柔らかいものであれば食事もできます。歯が無くなったら仕事ができなくなる、という事情があっても、社会生活を犠牲にする時間を最小にできる治療方法です。

骨移植、骨造成など大がかりな治療(外科侵襲)を避けることができる


C T撮影した顎骨のデータを3D(3次元)でコンピュータ解析する専用の診断ソフトを用いて分析し、3Dプリンタで製作した特殊なガイドによって特定の角度や位置でインプラントを埋入することにより、多くの場合、骨移植などの付随手術を避けることができます。

これによって、手術による体へのダメージ(外科侵襲と言います)を最小にすることができ、治療期間も短くなるだけでなく、手術に伴うリスクも最小限に留めることができます。

長期にわたる良好な治療結果が示されている


All-on-4あるいはAll-on-Xと呼ばれる術式は、世界中で行われていて、治療成績は多くの臨床研究論文として公表されています。最近、公表された臨床研究論文には、当院も治療データを提供していますが、過去15年間の追跡結果で90%以上のインプラントが良好に機能していることが示されています。

All-on-4(あるいはAll-on-X)は、長期に渡り良好に機能する可能性が高いことがエビデンス(科学的根拠)として示されている治療方法です。

以上の特徴により、All-on-4あるいはAll-on-Xと呼ばれる術式は、様々な理由で全ての歯を失いかけている、あるいは既に歯を失った多くの患者さまにとって、社会生活を維持しながら短期間で機能回復を目指すことができる画期的な治療法と言えます。

All-on-X(いわゆるAll-on-4)のメリット


All-on-4あるいはAll-on-Xと呼ばれる術式には以下のようなメリットがあります。

少ない手術で大きな変化


「All-on-X(いわゆるAll-on-4)」は、上あご、あるいは下あご、それぞれ必要最低限の本数(最低4本)のインプラントで、手術直後から失ったほぼ全ての歯を回復させる治療方法です。単純に考えて、1本の歯に1本のインプラントを使用すると上下それぞれ14本ずつ合計28本のインプラントが必要となりますが、「All-on-X(いわゆるAll-on-4)」では、これまでの治療よりも手術の負担が少なくなり、インプラントの本数を最小限にできるため手術も単純化され治療費の負担も軽減されます。

骨移植の心配が少ない


「All-on-4」は、骨の量や状態に応じて力学的に最適な位置や角度にインプラントを配置します。そのため、骨移植の必要が減少し、治療がよりシンプルになります。

長期的な安定性


正しいケアと定期的な歯科検診を受けることで、インプラントは長持ちします。安心して長い期間、新しい歯を楽しむことができます。

自然な見た目


「All-on-4」の治療で取り付けられる義歯は、普通のブリッジと違い歯茎も含めて審美(見た目)を回復できます。多くの患者さんは、手術の直後から再び自信を持って笑顔を見せることができるようになります。

オールオン4治療の流れ


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インプラントの治療計画立案と仮歯の準備

まず、手術の前に、C T撮影した顎骨のデータを3D(3次元)でコンピュータ解析する専用の診断ソフトを用いて分析しインプラントの本数と埋入位置を決定します。手術の前に手術時に使用する仮の歯を準備します。場合によっては、4本ではなくオールオンXという治療コンセプトによって4本以上のインプラントを使用した治療計画を立てることもあります。

治療の説明
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手術(インプラントの埋め込みと仮歯の取り付け)

歯の準備が整ってから、手術を行います。計画された位置にインプラントを埋め込み、その上に「アバットメント」という接続部を固定します。オールオン4には「フラップ法」(歯茎を開く方法)と「フラップレス法」(歯茎を開かずに直接穴を開ける方法)があります。どちらを選ぶかは、様々な条件によって決まります。歯茎を開いた場合は、手術後に縫合が行われ術後の出血が少なくなるまで少し休憩します。その後、仮の歯をインプラントに取り付け正しい噛み合わせを確認します。上下、どちらかの手術であれば、朝9時にご来院頂いた場合、仮歯の調整も含め12時過ぎには全ての処置が終了しています。上下同時に手術する場合であっても、多くの場合、午後2時までには全ての処置が終了しています。

治療風景
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手術後の治癒期間(インプラントが顎骨に固定されるまでの期間)について

インプラントが顎骨にしっかりと固定されるためには、一定の時間が必要です。仮の歯を使用しながら、インプラントが骨にしっかり固定するのを待ちます。この期間は患者さんの健康状態や骨質により異なり、通常は3ヶ月程度必要ですが、稀に6ヶ月以上の期間を必要とすることもあります。

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2つ目の仮歯の製作と装着

骨との結合が確認された後、手術後に入れた仮の歯を取り外し、最終的に使用する歯を作ります。この時、インプラント専門の技工士に立ち会ってもらい、患者さんの希望を聞きながら、歯の大きさや形、色、歯並びなどを決めていきます。

最終的な歯に極めて近い2つ目の仮歯(セカンドプロビジョナルと言います)を作りインプラントに取り付けます。

この後、実際に使用して頂き、問題があれば修正していきます。最終的な歯をオーダーメイドで作るための、いわば仮縫いのステップです。

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最終の歯の装着

2つ目の仮歯(セカンドプロビジョナル)に十分ご満足頂ければ、その情報を写し取って最終的な歯を作りインプラントに取り付けます。これで一旦治療は終了しますが、この後、定期的な歯の検診が必要となります。